

北向き住まいに光を導く、 照明いらずのリビング空間。
Leading light into the house
光溢れる寛ぎの時間を実現するリビング提案 vol.17

その土地を見極め、プラン図に光を描き出す。
住宅密集地における採光問題を解く「設計力」。
「希望エリアの土地だが、北向きだから迷っている」という相談をよく頂きます。北向きは土地代が抑えられますが、都心部においては周りの3方が家で囲われており、陽当りが望めないケースがほとんどです。ただ、設計次第で光が入る明るい住まいにすることは可能です。今回ご紹介するのは、北向き約26坪・3方を隣家に囲われた土地に建てた2階建て。しかも光が得やすい2階ではなく、あえて1階にLDKを計画しました。まずは「光が欲しい空間」を、1階リビングと2階ホールの2ヵ所にピックアップ。そこに、南側にある唯一の採光スポットから光が得られるよう、吹抜けとバルコニーを計画しました。吹抜けには大きな窓を設け、その下にリビングを配置することで、光が降りそそぐ照明いらずの空間が実現。そして、バルコニーは暗くなりがちな2階ホールに面するよう計画。正面の階段までも明るく包み込んでくれます。設計力次第で光は描ける。唯一の採光スポットを上手く活かした、北向きのデメリットを感じさせない住まいが誕生しました。
Leading light into the house
住宅密集地における採光問題を解決。北向きのデメリットを感じさせない住まい。


4LDKシューズクローク+ウォークインクローゼット
- ■建延面積/113.09㎡(34.20坪)
- ■建築面積/61.96㎡(18.74坪)
- ■1F床面積/62.27㎡(18.83坪)※車庫部分10.66㎡含む
- ■2F床面積/50.82㎡(15.37坪)
- □参考土地面積/88.59㎡(26.79坪)(size間口9,020×9,710mm)
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ホワイトとグレーのサイディングを貼り分けた奥行きを感じる外観デザイン。北向きとなる正面にはあえて大きな窓を設けず、プライバシー性を高めています。玄関はスムーズに開閉可能な引き戸を採用。
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南側にある唯一の採光スポットから光を採り込むよう計画したバルコニー。テーブルセットを置いたり、家庭菜園なども楽しめます。水栓を設けているので、掃除や水やりもスムーズです。
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バルコニーはL字になっており、隣家と距離を設けることで居室に光が採り込めるよう計画。BBQなどアウトドア用品の収納ボックスを置いたりと活用できます。
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❶ヘリンボーンの床材を主役にした、ホワイトとライトブルーが優しい雰囲気を演出するフレンチテイストのLDK。一番奥にキッチンを設けた、家具の配置がしやすいストレートな設計です。
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❷「光が欲しい空間」である1階リビングは、南側に設けた吹抜けから明るい光が降りそそぐ照明いらずの団欒空間。また、帰宅した際にリビングにいる家族と顔を合わせることが出来るコミュニケーション設計です。
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吹抜けは3方に大きな窓を計画。唯一の採光スポットから射し込む光が階下のリビングを明るく照らしてくれます。吹抜けに面した2階居室にも光が届くよう、室内窓も備えています。
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❸吹抜け上部の大きな窓がこちら。都心部の厳しい建築制限に対応しながらも、出来る限り多くの窓を計画します。
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❹次に「光が欲しい空間」となる2階ホール。バルコニーから入る光が、暗くなりがちな空間を照らします。
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❺LDKには便利な収納を3ヵ所計画。①扉付き収納 ②カウンター付き収納 ③階段下を活用したミニ収納
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(左)家事コーナーやファミリーライブラリー、お子様の学習スペースとして。(右)お掃除ロボットの基地やお子様のおもちゃ収納として。
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❻キッチンを配置した北側にも、暗くならないよう多くの窓を計画。奥には扉付きのパントリーも設置。
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「生活感が出るので見せたくない」とご要望が多い冷蔵庫は、来客から見えない位置にスッポリ収まるよう計画。
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❼2階南側の居室は吹抜けに面した室内窓を2ヵ所採用。自然光がたっぷり採り込めます。
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❽西側の居室は約9.6帖の大空間。将来的に間仕切り出来るよう、2ドア2収納になっています。
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❾アーチ状のニッチが可愛い玄関はスリッパニッチも備えた機能的な空間。右の扉はシューズクロークへ繋がります。
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❿シューズクローク内部には可動棚をたっぷり設置。そのまま玄関ホールに通り抜けできます。
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⓫洗面室にはアイロン掛けやメイクに使えるカウンターを設置。その上部には洗濯物を掛けられるパイプも。
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カウンターの背面には扉付きのリネン庫を設けています。洗剤のストックなどもスッキリと収納可能。